やっと分かった「トレンドの転換は明確なシグナルが出るまで継続する」
2018年08月11日
前回は「トレンド終了とトレンド転換の違いとは」について書いたのですが、下に掲載したチャートの箇所のトレンド判断(下げトレンド?トレンドレス?)を猟犬さんとスキニーさんが掲示板で話されていたので、この先、相場環境を分析する時に迷わないためにも整理してみました。
迷ったのは、上から3枚目のチャートです。ダウ理論により確定した高安値には青線、確定していない段階の高安値には赤線を付けています。
【ケース1】
この時点では、高値切り下げ安値更新して下げトレンドです。
【ケース2】
レートが戻してきましたが、直近高値を越えることなく下げていきました。
【ケース3】
下げてきたレートは直近安値を割ることなく再び上昇していきました。この場面は、下げトレンド?トレンドレス?
【ケース4】
安値切り上げ高値更新して上昇トレンドに転換しました。赤線を付けた高安値もダウ理論により確定した高安値になりましたので青線に変わりました。
考える時に頼りにしたのが、次の3つです。
①ダウ理論第6法則「トレンドの転換は明確なシグナルが出るまで継続する」と「高値を更新し安値を切り上げている限り上昇トレンドが継続し、安値を更新し高値を切り下げている限り下降トレンドが継続している。」
②介さんのブログ(トレンド判定に必要なダウという基本を忘れるな! 2018年2月20日)に書いてあった「上昇を継続しているかどうか?の判断は高値を更新したかどうか?になるわけですね。」
③前回のブログで、あずまさんから頂いたコメント「トレンド終了は、単に安値を割っただけの状態であり、高値の切り下げが確定していないことです。その場合はまだトレンドが転換していないので、再度高値を更新してトレンド継続となる場合があるので、注意が必要です。」
介さんのブログを読んだ時「なぜ、高値だけに注目しているのだろう?安値のことは考えなくても良いのかな?」と思いました。なぜそう思ったのかと言うと、ダウ理論でも「高値を更新し安値を切り上げている限り上昇トレンドが継続」とあるように安値も意識していたからです。
最初に、介さんが言われる「高値を更新する」の逆、すなわち「高値を更新しない」について考えました。
上昇トレンド継続中に「高値を更新しない」ということは、値動きをイメージすると分かるのですが、高値切り下げ安値更新を確定して下降トレンドに転換したということ。ここで気づきました。「高値を更新する」という言葉の中に、必然的に「安値」についても意識しているのだと。
次は、介さんが言われる「高値を更新する」に注目して、次の2つの場合で考えました。
①「高値を更新する」ことで「上昇を継続している」と言えるのは、高値更新安値切り上げの場合。ここでも、「安値」について意識していました。
②高値を更新して上昇トレンド継続となったが、高値を切り下げることなく直近安値を割った場合。この時は、直近安値を割った時点で上昇トレンドは終了となるが、高値切り下げが確定していないのでトレンドは転換していない(高値切り下げ安値更新という明確なシグナルが出ていない)。
上昇トレンド終了後、上で書いた「高値を更新しない(高値切り下げ安値更新)」が確定すれば下降トレンドに転換。
「高値を更新する」が確定すれば、安値切り上げ高値更新で上昇トレンド確定。これで上昇トレンドが終了した後に、再び上昇トレンドとなったので、「上昇を継続している」ということになりました。
こうして観てみると、確かに「高値を更新するか、しないか」に着目していれば「上昇を継続しているかどうか?」は分かると思いました。
でも、今までトレンド判断で迷うのは、レートが直近の高安値を越えないで【ケース3】のように持ち合いになる場面でした。しかし、「上昇(下降)を継続しているかどうか?の判断は高値(安値)を更新したかどうか?」の視点で観ていく方針は変わりません。
ここまで、整理してようやく今回のチャートについて考えました。
【ケース2】の時点では、レートは直近高値を越えていないため、下げトレンドは終了していない。つまり、下げトレンド継続です。
【ケース3】のトレンドは?というと
「安値を更新したら下降を継続している」と言えるということは、「安値を更新しなくなった時点(安値切り上げ高値更新)で下降を継続していない」と言えることになるから、それまでは下降を継続していると言える。たとえ、レートが何度も上昇、下降を繰り返しても、安値を更新しないことが確定するまでは(安値切り上げ高値更新という明確なシグナルが出るまでは)。
ここまで書いて「トレンドの転換は明確なシグナルが出るまで継続する」の意味がやっと分かった気がしました。
ということで、トレンド判断は、下げトレンド継続です。
同じような状況が、2018年1月23日から25日のドル円(4時間足)にありました。この時は、下げ継続でしたが、介さんのブログの内容は次のとおりです。
【23日】デイトレードの際の日足の相場環境は?
「長期(青)は高値を切り下げ安値を更新して下げダウを継続していましたが、ここで安値を切り上げてきました。
下げトレンド終了か?
まだ直近高値を更新しておらず、4時間足で下げトレンドが終了したわけではありませんので注意が必要です。」
⇒安値切り上げが見えてきましたが、下げトレンドが終了したと言ってませんので、下げトレンド継続ということになります。
【24日】押し目戻り目という相場環境
「大きな流れは下げダウであり、長期(青)の流れも下げダウ中。」
⇒23日に「ここで安値を切り上げてきました。」と言われた安値を割って、高値切り下げ安値更新となりました。下げダウ中と言っています。
25日の表記に倣うのであれば、「直近安値を割りながらの下げ確定&継続です。」となると思います。
「長期(青)は高値を切り下げ安値を更新、下げダウ継続です。
日足レベルで見ても底というものがなく、どこまで下げるかわからない状態でした。
日足移動平均線(赤)に対して4時間足移動平均線(青)が戻り売り。
その中で長期(青)が高値を切り下げながら4時間足移動平均線(青)に対してグランビルの法則成立。
そして直近安値を割りながらの下げ確定&継続です。」
⇒23日に「下げトレンド終了か?」という記載がありましたが、下げ確定して下げトレンド継続という結果となりました。
(追記)
上記が整理した内容になりますが、その前は【ケース3】を「トレンドレス」と判断していました。ブログアップ用に、まとめていた内容が下記になりますが、今となっては間違えている内容ですので参考にしないでください。この時は、まだ介さんのブログで「上昇を継続しているかどうか?の判断は高値を更新したかどうか?になるわけですね。」を読んでいない時でした。
ケース【1】
この時点では、高値切り下げ安値更新して下げトレンドです。
ケース【2】
レートが戻してきましたが、直近高値を越えることなく下げていきました。ダウ理論では直近安値を更新して高値が確定することなります。しかし、直近高値を越えていない、すなわち直近高値を下回っているため、高値を切り下げている状態です。このことから、この時点においても「安値を更新し高値を切り下げている」状態のため下降トレンド継続中です。この時点ではレートが、直近安値をまだ割っておらずダウ理論による高値にはならないので赤線で表示しておきます。
ケース【3】
下げてきたレートは直近安値を割ることなく再び上昇していきました。ダウ理論では直近高値を更新して安値が確定することなります。しかし、直近安値を割っていない、すなわち直近安値を上回っているため、安値を切り上げている状態です。
ケース【2】で高値を切り下げ、ケース【3】で安値を切り上げとなり、この時点で「高値を更新し安値を切り上げている」状態でもなく、「安値を更新し高値を切り下げている」状態でもないため、トレンドがない状態(トレンドレス)です。この時点ではレートが、直近高値(赤)をまだ越えておらずダウ理論による安値にはならないのでこちらも赤線で表示しておきます。
今後は前回のブログにも書いたように、トレンドがない状態から上昇トレンドに移る可能性とトレンドがない状態から再度下降トレンドに戻る可能性の2つがあります。
ケース【4】
レートが直近高値(赤)を越えました。この時点で「高値を更新し安値を切り上げている」状態になりましたので上昇トレンドに転換しました。また、赤線で表示していた高値、安値もダウ理論による高値、安値として確定しましたので青線で表示しておきます。
なぜ間違えていたのかというと、下降トレンドから上昇トレンドへの転換は、ある時点を境にしてすぐに転換するのではなく、下降トレンドからトレンドレスを経て上昇トレンドになることがトレンド転換だと思っていたからでした。よく「持ち合い」という言葉を耳にするので、「持ち合い」もトレンドを分類する上でのひとつの状態だと思っていました。
このため、「トレンドの転換は明確なシグナルが出るまで継続する」の「シグナル」を2種類(上昇シグナル、下降シグナル)ではなく、3種類(上昇シグナル、下降シグナル、シグナルが出ていない)あって、「明確なシグナル」は3種類の内、上昇シグナルと下降シグナルのみであると思い込んでいました。
シグナルがでていない時はトレンドレスと思っていたので、「トレンドの転換は明確なシグナルが出るまで継続する」より、明確なシグナルがでるまで(今回は上昇シグナルが出るまで)は下げトレンドが継続するはずなのに、自分の中では下降トレンドからトレンドレスへとトレンドが変化して、「下げトレンドが継続」していないことになるので何か変だなと思っていました。その後、介さんのブログを読んで理解することができました。
分かっている方にとっては、当たり前の内容だったかもしれませんが、最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
最後に、冒頭に記載しました掲示板の内容は主に、No.5313,5335,5339,5345,5359,5405,5410,5422になります。このNo.以外にも関連する内容はあります。
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